花火写真家の金武武さんをモデルにした小説。
あくまでもモデルで自伝ではない。あとがきにも書かれているが、金武さんだけではなく作者である冨部さんの経験も織り込まれているらしい。
描かれている人生はまさに波乱であるように感じる。
喘息で闘病した幼少期。療養所での出会いと別れ。大人達に夢を否定され違う職につくも長続きせず退職。そして結婚式場のカメラマン見習いになったり。
しかし学生時代に見た花火の感動をカメラに納めようと進む主人公の姿には勇気を貰える。
他の登場人物達も魅力的な人ばかり
「なんかこういう苦手なやついたよなぁ」とか幼い頃の憧れのお姉さんとかそういう人達とのやり取りや、病気での苦しみや生きる上での葛藤、もがきが実に鮮明に描写されている。
出会いから17年かけて文章に落とし込み、作り上げただけありそこには人生がつまっている印象。
自分自身遺伝性の難病にかかっており、その病気の中では軽い方ではあるが、チック症も重なり学校に通えなかった時期があったので、学校で勉強が遅れるや友達との交流があまり出来てない部分自分と重ねて読んでいました。
生きる事は勿論夢へ挑む事への大変さは過酷ではあるが、それが花開いてるのには笑顔がこぼれました。
ウルカヌス帝さん、 この度は大変心のこもった感想文を頂き、有難うございました。 友人や知人や金武さんの関係者でない人からの感想文は初めてで、しかも、自らの人生と重ね合わせて共感を頂いたこと、作者としては大変励みになりました。
難病を抱えておられることについては、種類は違いますが、その大変さを私も金武さんとの長いお付き合いの中で肌身に感じてきたので、少しでも良くなられることを祈るばかりです。ただ、こればかりは当事者が感じておられる苦痛や苦悩とはかなりの隔たりがあり、想像力で補うしかありません。
想像力は大事ですよね。もし、自分がその人の立場だったら、という想像力。もし、それを徹底的に考えたのなら、暴言や暴力、傷害・殺人事件や果ては戦争に至るまで、すべて起こらないのではないかと想像してしまいます。そして、そこにほんの少しでも相手に対する愛があったなら、と……。
ウルカヌス帝さんからの感想文を読んで、私もいろいろと考えさせられました。改めて今回の感想文のご投稿に感謝いたします。